やかんが突然怒り狂ったように喚き出した。煙草に火を点けながら苦いだけのインスタントコーヒーを淹れ、テレビのスイッチを押す。

 画面に表示される『外部入力』の文字。昨夜もゲームをしながら、そのまま眠りについてしまったようだ。

 軽く舌打ちしながらリモコンを操作し、テレビに切り換える。お決まりの朝の風景――。

 いったい俺は毎日毎日何をしているのだろうと思う。

 朝起きてコーヒーを飲み、トイレに入り、シャワーを浴び、駅まで歩いて、ぎゅうぎゅう詰めの電車に揺られる。そして、やりたくもない仕事を奴隷のように文句一つ言わず、ただただこなしていく。

 唯一のウサ晴らしは、ヤラセてもくれないくせに高い金をふんだくるキャバクラ嬢とのドンちゃん騒ぎ。宴を終えて家に帰れば、手持ち無沙汰にゲームのコントローラーを握り、そのまま眠りにつく、お決まりのコース。

 いったいこんな暮らしがいつまで続くのだろうか。