もはや周りの人間は正気を失いかけ、その進路は整然という言葉からはかけ離れていた。至るところで接触を起こし、それをも気に掛けず強引にアクセルを踏んでいる。

 遅れを取り戻すべく車の動きを予測しながら、右に左に縫うようにして先を急いだ。

 時折横合いから突っ込んでくる車を蹴とばしてけん制しながら、それでもかなりなスピードで走れたのは奇跡に近いだろう。

 まもなく車の列がスムーズになると張り詰めていた神経が途切れ、どっと疲れが襲いかかった。そしてそれは忘れていた体の痛みも運んできた。

 しびれる腰を押さえながら、それでも俺はアクセルを開いた。。



あと二十二時間──