いまだ火のくすぶる村落を抜けるとあたりはまた変化の無い山道へと姿を変えた。

 またしてもどこからか地響きが鳴り、隕石が激突したことを知る。次第に落下と落下の間隔が狭まってきているようだ。この分ではいつまた自分の身に火の粉が降り懸かるかわからない。

 一度壊れたものは元には戻らないと誰かが言った言葉を思い出した。その言葉を振り切るようにアクセルを開ける。

 その排気音はさながら俺の悲しみを表すかのように寂しげに山々に反響していた。



 あと四時間――