「ちくしょうっ!」

 その時の後悔が胸を衝き、瓦礫の山を蹴り飛ばした。

「なんで俺は……畜生ーっ!」

 ヘリの爆音さえ吹き飛ばすように俺は叫ぶ。後悔ばかりの人生、それに亜紀を巻き込んでしまった自分が赦せなかった。

 ずっとこのことが頭から離れなかった。ずっと胸に拭いきれない痛みを抱えてきた。けれども、亜紀はもっと苦しかったはずだ。

(俺はなんで……立ち向かう勇気を持てなかったんだ……)

 いつの間にか涙を流している自分に気が付いた。あさきちはなにも言わず、ただ黙々と亜紀の姿を捜している。

 その姿は

「過去を悔やんでいる場合じゃない」

と、弱い俺に語りかけているように思えた。



 あと六時間――