山に囲まれた景色は周囲を牧場や草原に姿を変え、進路はなだらかな道へと一変した。

 視界に一面の夜空が広がり、その中を無数の流星が飛び去る光景は、美しさと恐怖を併せ持って不思議な感覚を覚える。

「なあ『ジャッジメント』ってどんな風に落ちてくんのかな?」

 そのあさきちの質問の意味は俺には全く分からなかった。

「なにそれ?」

「テレビ観てないの?」

 俺はすぐに家を飛び出したので、その後の放送を観ていない。

「最後に落ちてくるでっかい奴よ」

 なるほど、そんなシナリオが存在していたとは全く知らなかった。

「何億年か昔に一度、地球に直径十キロの隕石が落ちたそうだけど、それで一旦地球上の生物はほぼ死滅したそうだ」

「今度もそんな奴が落ちるのか」

「もっとデカい。五十キロだってよ」

 そりゃ確かにデカい。俺たちはひとたまりもないだろう。

 しかし地下に潜れば多少は助かるのでは? そんな疑問も湧いてきて、あさきちに聞いてみた。

 しかし返ってきた答えはノーだ。