鳥栖ジャンクションから大分自動車道に入ると、今度は東へと方向を変える。しばらくは平坦な直線路が続き、退屈を紛らわすようにあさきちはしゃべり続けていた。
声が聞こえにくいからと、二人ともヘルメットを脱いで腕に通して運転を続けている。
「……でよ、波がどばーって来たんだけど、そこは俺の腕っしょ! ぐわーって感じで、こう、ぎゅわああーってなるとこをキイーンって……」
「擬音ばっかで分かるかぁ!」
コイツは絶対右脳だけで生きていると確信にいたる。
道はそこから険しい山沿いへと標高を上げた。ほとんどが橋脚の上に掛けられた陸橋が続く道だ。そのシチュエーションはあのダイビングした中国自動車道を連想させた。
(こんな所に隕石が落ちてた日にゃ……)
今日の俺は勘が冴えているようだ。喋り続けるあさきちに怒鳴り声を上げた。
「止まれっ!」
道の両脇に連なるライトに照らされたオレンジの反射板がそこで途切れていた。
前方に目を凝らした。あさきちも激しいブレーキングで車速を落とす。つんのめるようにして止まった二台のバイクの前には、奈落を思わせる大穴が横たわっていた。
その穴を覗き見ながらあさきちが言葉を洩らす。
「こんなとこに飛び込んだら一巻の終わりっしょ」
声が聞こえにくいからと、二人ともヘルメットを脱いで腕に通して運転を続けている。
「……でよ、波がどばーって来たんだけど、そこは俺の腕っしょ! ぐわーって感じで、こう、ぎゅわああーってなるとこをキイーンって……」
「擬音ばっかで分かるかぁ!」
コイツは絶対右脳だけで生きていると確信にいたる。
道はそこから険しい山沿いへと標高を上げた。ほとんどが橋脚の上に掛けられた陸橋が続く道だ。そのシチュエーションはあのダイビングした中国自動車道を連想させた。
(こんな所に隕石が落ちてた日にゃ……)
今日の俺は勘が冴えているようだ。喋り続けるあさきちに怒鳴り声を上げた。
「止まれっ!」
道の両脇に連なるライトに照らされたオレンジの反射板がそこで途切れていた。
前方に目を凝らした。あさきちも激しいブレーキングで車速を落とす。つんのめるようにして止まった二台のバイクの前には、奈落を思わせる大穴が横たわっていた。
その穴を覗き見ながらあさきちが言葉を洩らす。
「こんなとこに飛び込んだら一巻の終わりっしょ」