地球最後の24時間

(前にしか進めねえんだよ、俺たちは!)

 降り注ぐ機関砲弾が描く二筋の光の軌跡の真ん中を睨みつけると、一気にスピードを乗せる。

 血と肉片でスライドし、暴れるテールを抑えつけ、地獄の舞台が繰り広げられているスポットライトへ飛び込んだ。続けて追跡者も盲進する。

 自分の体が光に照らされたと感じた瞬間、暴徒の飛び散る血が体に降りかかり、ヘルメットの隙間から覗く顔に血肉が張り付いた。

 両脇を飛び交う弾幕の軌跡は、その幅を二メートル程しか持たなかった。その狭い隘路を俺はさながらタイトロープのように渡っていく。

「うわあああ!」

 死と隣り合わせの恐怖を振り払おうと俺は叫んだ。今にも壊れてしまいそうな極限状態の精神をつなぎ止めようとするかのように。