地球最後の24時間

(諦めないで……か)

 コイツはいつ落としても良いかな、と腕の中の少女と見比べてみた。少女は「ん?」という表情を俺に返すと、なぜか嬉しそうにえくぼを作った。 

 目的のコンビニはすぐに見つかり、包帯を物色すると傷の手当てをした。

「さて、俺はもう行かなきゃならない。お前はどうする?」

 少女は信じられないと言うような表情を見せて喚きたてた。

「えーっ、置いてく気? 信じらんない! 歩けないのよ、あんた鬼? こんなとこで独りで死ねって言うの?」

「俺にも事情があってな……」

「犯されてボロボロになって死ぬんだあたしー! 見捨てられて寂しく死ねばいいんだ!」

 今度は大声で泣き始めた。

「わかった、わかったよ。連れてくから」

「ホント!」

 すぐ少女が嬉しそうな顔を向けた。

(泣いてねえじゃん……)