地球最後の24時間

 俺の頭を少女が撫でた。あんなに嫌悪していたギャル系の少女が一瞬天使のように見える。

「行こ……。ね」

「ああ」

 立ち上がると二人並んで歩き始めた。誰かに見つかれば恰好の獲物となるだろう。辺りを警戒しながら隠れるようにして道を選ぶ。

「痛っ!」

 突然少女が声を上げた。

「足になんか刺さった」

「どれ、見せて見ろ」

 割れたガラスの破片を踏んだようだ。思ったよりも傷は深く、出血はひどかった。

「ハンカチ持ってないか?」

「ない」

「女だろ?」

「関係ないじゃん!」

 まったく。女ならハンカチの一枚くらい持ってて当然だろう。これだからギャルってやつは……。

 仕方なく俺は自分のブーツを脱ぎ、靴下を下ろしはじめた。