地球最後の24時間

 炎に包まれた鉄くずと化したトラックが地面に崩れ落ちる。熱風が頬を焼き、俺は目を細めた。

(いったい今のは?)

 目を前方に移すといつの間にか姿を現した戦車が砲身から煙をくゆらせている。市街地での爆発はこいつによるものだったのだ。そう確信すると、続いて嫌な予感が体を走った。

「よーし、手を挙げろ」

 歩み寄ってきた自衛隊員は問答無用に鈍く光る銃口を突きつけてきた。

「あたしら追われてたんだよ、なんで手えあげんだよ!」

 口汚くキレたのは少女だ。思わず口を塞いで弁明した。下手に刺激してはこちらまで殺されて不思議はない。

「俺たちあいつらが襲ってきたんで仕方なく逃げてきただけだ。外に出る気はなかった」

 自衛隊員の目が俺の顔を食い入るように見つめ、そして少女の顔と体を舐めるような目線で見た。

「よし、ついて来い」