メスも、着衣を脱ぐと全身を熾糸草から精製した消毒液で浄めた。そして、白衣に身を包み祭壇の前に膝まづいた。
神への祷りを捧げると、ランゲの傍らに立った。
ランゲの逸物は、投与された秘薬により意識はなくとも怒張したままだ。
メスは、針を取り出すと、ランゲの逸物に刺した。針の空洞から鮮血がほとばしる。
しかし、鮮血は一瞬で収まりどす黒い液体が流れ出た。
メスは、針を抜くと手早く布を巻いた。


しばらくして、ランゲは目を醒ました。
ランゲは起き上がり、メスから葡萄酒を貰った。
芳香を楽しんでいると、メスが病後を説明した。
「男爵殿下。向こう一週間は、激しいことはせず、安静に清潔になさってください。熾糸草の抽出液を瓶に詰めましたので、就寝前に清めてください。」

ランゲは、少し憮然としたが立ち上がると、メスを抱き締めた。
「今宵こそは、そなたを天に昇らせようと硬くしてきたのだが。」
すると、メスはランゲを突き飛ばした。
ランゲは、よろけると「ハハハ、戯れ言よ。気にするな。余は、そこまで色狂いではない。そなたの言を信じよう。」
ランゲは、颯爽とマントを翻すと雷帝号に跨がった。
蹄の音高らかに、漆黒の闇に消えていった。
メスはランゲを見送ると、寝室に戻った。
寝台に横になり目を閉じると、ランゲの猛々しい逸物が浮かんできた。
メスは、全身が熱くなってきた。右手をそっと秘部に這わせると、繁みの奥の泉が妖しく潤っていた。自分にはないあの聖なるものに、激しい衝動を覚えた。メスは、罪悪感の中で秘部を優しく、しかし、時折力強く撫でた。
メスは、何度も絶頂した。
あのランゲの逸物を直に味わいたい……。
しかし、それは叶えがたい夢である。
メスは、虚しさも感じつつ秘め事に没頭した。