メイドなあたしとイジワルご主人様。

「なぁ、ちょっとそこ、座ってくんない?」

そう言って指差されたのは、いつもならめったに座らないソファだった。


なんだか真面目な声をして言われたから、思わず背をピンと伸ばして座った。

「で、なぁに?」


向かい側に座った裕介は、なんだか今度は苦しそうな顔をしている。


「…言いにくいん、だけどな?」

なんなのかな?


「俺、パリに留学する事になった。」