ぎゅっとして

「・・・・・帰るか」


「え?」


「帰らねえの?」


「か、帰る、けど」


いつもと変わらない慧。


さっきのことが嘘みたいに・・・・・


―――さっきのあれは、何?ただ、あの場であたしを助けようとしてくれただけ・・・・・?


慧の後ろ姿を見ていたらなんだか切なくなってきてしまって・・・・・


涙が出そうだった。


大学を出たところで突然慧が立ち止まり、振り返った。


そしてあたしを見ると、ちょっと困ったように頭をかいた。