ぎゅっとして

藤村の言葉に、慧がチラリとあたしを見る。


「へえ」


慧の低い声があたしの心に突き刺さる。


まるで頭から冷水をかけられたように、一気に心が冷えていく。


体の震えが一層増し、足ががくがくしてきた。


慧は、そんなあたしを見て言葉を続けた。


「俺は、それでも良いけど」


―――え・・・・・?


思ってもみなかった言葉に、あたしは驚いて顔を上げた。


そこには、今まで見たことがないくらい優しく微笑む慧がいた。


「こいつが、それで俺のモノになるなら」