ぎゅっとして

「なあ、あんたも気をつけた方がいいぜ」


藤村が声をかけると、慧が藤村の方を見た。


「その女、かわいい顔して男たらしこむのうまいからさ。あんたが岸本利緒の息子って知って近づいたんだぜ」


「腹黒い女よね」


一緒にいる女たちが相槌を打つ。


言われたことに腹が立つ。


何か言い返したいのに、体が震えて言葉にならない。


すぐ側にいる慧のことさえまともに見ることが出来ない。


いつの間にか、カフェテリア中の人達の注目を集めていた。


「金持ちなら誰でもいいんだよな。彼を繋ぎ止めるのにその体も使ってるわけ?」


「あたしは―――!」


「なあ、岸本、その女はあんたの金が目的なんだぜ」