ぎゅっとして

「・・・・・離して」


「俺と、付き合ってよ」


「あたしは・・・・・藤村君のこと、そういう風に見たこと、ないから」


あたしの言葉に、藤村の顔が強張った。


「・・・・・それは、岸本慧のせい?」


「何・・・・・言ってるの」


慧の名前に、どきりとする。


「岸本慧のことが、好きなわけ?あの、岸本利緒の息子。世界的なジュエリーデザイナーの息子だもんな」


藤村の言葉に、むっとする。


「そんなの、関係ないでしょ?慧は慧だよ。お母さんだ誰だって、関係ない」


「へえ、やっぱり好きなんだ?」


にやりと、いやらしい笑み。


「・・・・・慧は、関係ない」