ぎゅっとして

「藤村くんと、別れてよ!」


「だから・・・・・あたしは藤村くんとなんて付き合ってないってば」


そう繰り返し言っても、まるで信じていない様子。


あたしの言葉にさらに目をつり上げた。


「まだ言うの?この、淫乱―――!」


女が再びその手を振り上げた時―――


「やめろ」


低く響く声が聞こえたのと同時に、押さえられた女の手。


そこに立っていたのは慧だった。