ぎゅっとして

女の言葉に、今度こそ言葉が出てこない。

―――何言ってんの?この人。


「大して可愛くもないくせに図々しいんだよ」


「あの・・・・・なんのことだかわからないんだけど・・・・・」


「だから、とぼけないでよ!藤村くんから聞いたんだから!」


「藤村・・・・・くん?」


「そうよ!あんたと付き合ってるんだけど、あんたはあの岸本くんとも付き合ってるって!」


「そんなの、でたらめだよ!あたしはどっちとも付き合ってなんか―――!」


反論されたのが気にいらなかったのか、リーダー格の女がキッと目をつり上げたかと思ったら、いきなりあたしの頬を平手で打ってきた。


パシン!という渇いた音に、一瞬その場が静まり返る。