ぎゅっとして

「あ、俺、トイレ行ってくる」


昼食を終えて店を出たとき、藤村がそう言ってあたしたちから離れた。


と、美玖があたしに腕をつんつんとつつく。


「なに?」


「ね、今のうちにさ、あんたたち2人で観覧車乗って来れば?」


そう言って美玖が指したのは、目の前の大きな観覧車。


「え?でも・・・・・」


「ほらほら!早くしないと藤村君戻ってきちゃうよ!」


そう言ってあたしと慧の背中をどんどんと押す美玖。


慧も呆気に取られている。


あっという間に観覧車に乗せられ、あたしと慧は向かい合って座っていた。