ぎゅっとして

「フランス人なんだ、その相手が。それで―――」


ゆっくりと、慧の視線があたしに戻ってくる。


「俺にも―――一緒にフランスへ行ってほしいって」


「フランス―――?」


頭の中が、一瞬で真っ白になる。


―――ケイガ、フランスヘイッテシマウ―――?


指先が、冷たくなった気がした。


「行きたくないって言ったよ。今までだって、ずっと1人暮らしして来たようなもんだったし、日本に残るって。けど―――今までずっと1人にしてきた分、これからは一緒にいたいって。フランスを拠点にして―――これからは今までみたいに1年以上家を空けるようなことはないって―――」