『優衣、見て。この指輪、素敵でしょう?』


『わあ、ほんと、すっごくきれい!』


今でも思い出す、幸せそうな姉の笑顔と、左手の薬指に輝く指輪。


憧れの『RIO』の指輪を見つめながら幸せそうに微笑む姉の姿が、まるで昨日のことのようにあたしの頭に蘇ってくる・・・・・。



「―――優衣?どうかした?」


美玖の声に、はっと我に返る。


「あ・・・・・ご、ごめん、ボーっとしてた」


「いいけどさ。大丈夫?」


心配そうな美玖の顔。


あたしはにっこりと笑って見せた。


「大丈夫だよ。ちょっとびっくりしただけ。あたしちょっと三宅先生のとこ行ってくるね。聞きたいことがあったんだ」


そう言って席を立ち、講義室を出た。