「お前もたぶん、覚えてないと思う。入学前だったから」


「え、嘘、いつのこと?」


「入試の日・・・・・だったと思うぜ」


「入試の日・・・・・?」


「ん。その帰り、ジュエリーショップの前、通っただろ?」


「・・・・・うん。そういえば・・・・・」


「俺もその時、そこにいたんだよ。その店の前でお前が、岸本利緒のデザインしたものがあるのに気付いて足を止めて・・・・・」