「五年か〜」


彼女が出て行って五年が過ぎた


「べつに待ってるわけじゃないけど」


血を思わせるような紅のウルフカットの髪に黒の瞳をした青年が街を眺めながらぼんやり呟く


「は〜あ〜」


つまんないのーとまるで子供のように彼は伸びをした

「ブルート様」


翡翠の瞳と髪をした少女


「なぁに?」


「お食事の時間です」



紅の戦闘民族は

待っていないと思いながら

心のどこかで大空を待ち侘びる



ねぇ、何処にいるの?