「拓馬っ☆」

遅い!と頭を小突いた後、私の手を取って先に歩き始めた。


少し小走りして拓馬の隣にくっつく。
「ねぇ、拓馬♪今日はどこ行くの?」

「…ん〜、秘密?」

なにそれ〜、と笑いかけると少し強張った横顔の拓馬がいた。

どうしたのかな?そう思いながらも、聞けずにいた。




最寄りの駅から電車に乗り、4つ目の駅からまた違う方面の電車に乗り、2時間位電車やバスを乗り継いだ。


その間もどこへ行くかは教えてくれなかった。

いや、話しですらまともにしなかった。