あなたは講師

家に帰りベッドに飛込んだ。


“なんで手離さないの？”
“なんとなく♪”
章大くんと稚葉が帰り際に話していた。

“なんで嫌なの？”
“…なんとなく☆”
思い出しちゃうよ。あの時の顔も、思いも、一緒に。



悲しい。

違う

苦しい。












急に視界が明るくなり目を細めると、自分が寝ていた事に気付いた。

携帯がタイミングよく鳴り響いた。『今から章大と遊ぶんだけど、りなもこない？拓馬くんも一緒だけど。』


拓馬くん(？)が駅まで迎えに来てくれるらしい。誰？って感じだけど、まぁいいかな。

時間的に制服ではさすがにダメだと思って、黒タンクにシルバーの上着をはおって短パンを着た。
普段は着ないギャル系(？)のファッション。麻奈に連れて行かれたショップで買わされた。

お母さんの声を背中でききながら足早に駅へ向かう。拓馬くんとやらを探さなきゃ。