――――高校1年生
私はようちゃんのようになりたい。それだけで、ひたすら勉強をして、みんなが憧れるだろう高校に合格した。
自分の行きたい学校には
行けなかった。
私は幼い頃からの夢だった看護師を諦めた。実際、ようちゃんに憧れただけでなく私の実力不足なところもあったからだ。
元から真面目でもなければ頭がいいわけでもなかった。
私は人見知りが激しく、友達を作るのが苦手だった。そんな私に話しかけてくれる人はいなかった。
『鈴木さん…?えっと、私高宮稚葉です…!えっと、友達に、ならない…?』
6月半ば頃。
急に声をかけられ、右手の食べかけのメロンパンと左手の紙パックのミルクティーを落としかけた。
そんな私の前には栗色の綺麗な髪を細めのゴムで2つにしばり、ピンク色のお弁当袋を右手に提げている可愛い女の子がいた。
「モテそー…」
『あの……』
