「いきなりでごめんけど
……別れよ。」


そう言われたのは2008年も終わりに近付いた12月だった。

確かにいきなりだった。

その前の週末までは普段通りラブラブだったはずだし、キスもしてた。

なのになぜ?


そんな疑問が頭をよぎっただけで涙なんて出なかった、ただ「やっぱりか…」そう思うだけだった。

さっきフラレた元カレの柚希はたぶんあたしに飽きたんだと思う。

―――今まで長続きした彼はいない。

教室に戻ってだらだら席に座る。友達が寄って来る。
いつものパターンだ。

「柚希にフラレた〜」
アハハ、と笑ってみる。私は傷付いてなんかいない。涙も出なかったんだから。

「まじ〜?元気出せよ〜
日曜オケるかぁ☆」
私の失恋パーティーと題して自分らが歌いたいだけでしょ…、とはさすがに言えなかった、言う気力さえもったいないと思った。

ありがと、と小さく返せば「んじゃ、何時待ち合わせにする〜♪」ともう私なんて関係ないような気がした。