彼女はまた明日も笑わなければならないのだから。何もないフリをして、俺に笑みを見せないといけないから。


 いつまで続くのだろう。こんな、どうしようもない状態は。

 俺はいつから君を嘘つきだと──そう、信じられなくなったんだろう。

 分からない。答えは見つからない。


 出来る事ならあの頃に戻りたい。あの頃の君に会いたい。

 そうして初めからやり直すんだ。今度はこんな事のないようにするんだ。


 彼女がずっと俺だけを見ていてくれるように。優しくてかっこいい彼氏になってやる。

 そうすれば、目移りなんかしないだろ? なあ……。















 壊れていく。


 全てが。


 今までが。


 音もなく。


 静かに。















 何も変わらないまま、時は過ぎてゆく。

 小さな傷を残しながら、静かに。


 俺も彼女も決断するであろう、その日まで。





*End*


――――――――――
 この小説は是非、オフコースの「君が、嘘を、ついた」という曲を聴きながら読んで下さい。
 この曲を聴きながら浮かんだお話なので。

 あのオフコース独特のしっとりした切ない感じのメロディで、歌詞がまた凄く切なくて。

 彼女も公太も、それぞれの想いを抱えて苦しんで……。
 でも、別れる事も簡単には出来ない。それで迷い続ける。
 いつか決断を迫られる日が必ず来ます。
 その日、彼らが最善の選択を選んでくれたらと、そう思います。

 ご拝読ありがとうございました。


by 08ー08ー19.