朝が来た。

リビングには朝食と妹がテーブルに座っていた。

「おはよーおにいちゃん、今日は早いのね。フフ」

現在家には両親がいない。

二人とも海外で仕事をしていて家にはたまにしか帰ってこない。

「梨華、今日は晩御飯いらないからな」

「ん、食べてくるの?」

「ああ…ちょいとクラスメートの家にご馳走に…な?」

今夜はクラスメートの津名さんの家に行く事になっていた。

「そっか…一人でご飯だ…」

「淋しいか?」

「んんっぜんっぜん………でさぁおにいちゃん…」

「誰の家で食べるの?」

「津名さんだよ、津名玲子さん。」

「お…んな?」

「ばっか!んなたいしたもんじゃないよ、ただのクラスメートだって」

「その女さぁ…きっとおにいちゃんを誘惑して自分の物にしようとしてるんだよ…そうだ…絶対…そ…だ」

妹の目つきが嫌に鋭い。

「なんだよ妬いてるのかよ?心配すんなって~、津名さんはそんな女子じゃないよ」

「……お…ちゃん」

「ん?」

「へへ、行ってらっしゃい!気をつけてね~」

よかった、機嫌を直したみたいだ。

‐‐‐この時の俺はまさかあんなことになろうとは…想像してなかった。