優しい魔王と優しい勇者の悲しいお話

少年が母親だったものに手をかざすと、手から淡い光が溢れ出ました。



少年は目を瞑り、しばらくじっとしていました。



光が消えると、ゆっくりと目を開きました。



優しかった少年のオレンジ色の瞳は、憎しみと悲しみと怒りで、真っ紅に染まってしまいました。