少女は、ばっ、と顔をあげました。



「や…やだ…もう、おいていかないで…一人にしないで…っ」



少女は必死に縋り付きました。



『俺はここにいてはいけない。』



魔王は困ったように笑うと、真剣な目つきで言いました。



『生きてくれ。辛いことだとはわかってる。それでも生きてほしいんだ。俺は見ているから…ちゃんと、見ているから…』



魔王は少女が返したペンダントを再び少女の首へとかけました。



『そばいにる。』



そう言って笑うと、魔王は光の中へと消えていきました。



「まっ…」



少女の手は、虚しく空を掴みました。