優しい魔王と優しい勇者の悲しいお話

魔王は何かを感じたように、顔をしかめました。




少女は一度、大きく深呼吸をすると、顔を上げ真剣な瞳で魔王の瞳を見つめました。




「私は、あなたに協力することはできないよ。人間は悪い人ばかりじゃない、もう一度考え直して。」




少女には説得が無駄だとわかっていましたが、説得せずにはいられませんでした。




あまりにも魔王が辛そうな顔をしていたから…