『ごめん。ありがと』 うちの前まで着き、鞄を受け取る。 『ちょっ…手、離してよ』 だが、柚木ちゃんは鞄を離してくれない。 『柚木ちゃん?』 そう呼びかけてもピクリとも動かず。 「あ、あのさ!」 柚木ちゃんは顔を上げる。 「………おかゆ、作ってあげるっ!」