『…………あらた?』

マンションの近くの公園のベンチで灯りに照らされる新を見つけた。



『なんで…』

新はそう言って手を顔で覆った。



『なんで…こんなに辛いのかなぁ…

こんなことなら惚れなければ…良かった』


新の隣に座る。



『俺…よく恋とか愛とか分かんねぇけど、惚れたもんは仕方ねぇーだろ』

こんなセリフをサラッと言ってしまう自分が恥ずかしかった。



『でもさ…なんで初恋って叶わないんだろうね。

俺、見た瞬間にこの人だ、って思ったのに。』


新はそう言って髪の毛を掻いた。



『ま、元気出せって。

またいい人現れるだろ』


ありきたりな慰めの言葉しか見つからなかった。

それでも新は


『だよな。また…現れるよな』

そう言っていつものように笑った。