俺はまた、柚木ちゃんを抱きしめた。
もう…いいや。
カッコ悪くても。
ダサくても。
もう、いい。
プライドなんてクソくらえだ。
俺は今にも溢れ出しそうな涙を堪え、言った。
『柚木ちゃん…頼むよ。
俺、柚木ちゃんがいないときっと、ダメになる。
だから…俺だけの木下柚子になって。
もう誰の手にも渡したくないんだ、柚木ちゃんを。
俺が守るから。
絶対、離したりしないから。
だから俺と…付き合って下さい』
心臓の鼓動がまた大きく、速くなっていた。
本当はこんなこと、言うつもりじゃなかったんだ。
だって、カッコ悪いだろ。
男が半泣きでキミがいないときっと、ダメになる。
なんて伝えるの。
でも、カッコ悪い俺も好きになってほしいから。
だから、全てをさらけ出すことにした。
「ホントに…あたしでもいいの?」
そんな柚木ちゃんの声に俺は
『もちろん』
踊り出しそうなキモチを抑え、そう答えた。
「修司」
名前を呼ばれ柚木ちゃんの顔を覗き込むと満面の笑みで言われた。
「大好き」
俺も大好きだよ、柚木ちゃん
-END-
→あとがき


