「……おいひぃ…」


圧力鍋を駆使して煮込む時間を大幅に短縮したカレー。

でも十分にうまいと思う。


俺は熱々のカレーを頬張る柚木ちゃんを見つめていた。


俺が、しっかりしなくちゃ。

柚木ちゃんを支えるのがもし、俺の役目なら俺は何を犠牲にしても柚木ちゃんを支える。


志帆に言われてあれだけ拒んだのに

今じゃ、そんなことを思ってる。


でもさ、いいじゃんか。

考えが180度変わっても。


好きな人を守りたい、支えたい。

そう思うのが普通なんだからさ、きっと。



「修司は食べないの?」


カレーに手を付けない俺を不思議そうに見つめる柚木ちゃん。



『あ、いや』

と呟きながらスプーンを手に取ってカレーを一口。



うん、なかなか上出来。

でもやっぱりしっかり煮込んだときのほうがうまないな…


なんて今日のカレーに評価を付ける。




「そう言えばさ、1回も聞いたことなかったけど、

修司のお父さんは何してる人なの?」