志帆は最後まで俺に言った。
「柚木ちゃんのこと、支えてあげてよ」
って。
そして俺は最後まで首をたてに振ることはしなかった。
「……あたし、修司のこと信じてるから」
そんな言葉を残して志帆は帰って行った。
時計は4時半を指している。
はぁ…
あっという間だな、毎日。
こうしてる間にも時計の針は少しずつ進んでいくのに。
俺は、ソファに寝転がって柚木ちゃんを想うことしかできない。
明日から学校、どうしようか。
いっそのこと、新んちに泊まらせてもらおうか。
実家にはとりあえず帰りたくないしな…
そんなことを考えていると次第に瞼が重くなる。
最近寝不足気味だったせいだろうか。
もう何も考えたくなくて
俺は睡魔に逆らうことはせず、そのまま瞼を閉じた。
【……ンポーン】
……ん?
今、インターフォン、鳴った?
いや?気のせいか?
うっすら開けた目をまた閉じようとしたとき、
【ピーンポーン】
インターフォンが鳴った。
時間は午後6時。
誰だ?
今度こそ、新か?
渋々ソファから立ち上がると玄関を開けた。
『……………?!』
どう…して?
驚く俺に彼女は言った。
「………もう、ムリだよぉ…」


