「あ、ごめんね?修司」
どうして…
なんで…ここに?
「鍵、忘れちゃって家に入れないんだ。
だから…妹が帰ってくるまでここにいていい??」
どうして柚木ちゃんがうちに…来るんだ?
今まで1度だって俺の家に訪れたことがなかった。
お隣さんでも、
生徒と教師でも、
家に入るほどの仲じゃない。
だから柚木ちゃんがうちに来るなんてこと、あり得なくて。
「もしかして…迷惑だった?
あ、いや、そりゃあ…迷惑だよね。
ごめんね、修司
やっぱり近くのファミレスにでも行くから。
だから…『いいよ、別に』
俺は柚木ちゃんの言葉を遮る。
きょとん顔の柚木ちゃん。
断るとでも思ってた?
まさか。
柚木ちゃんが俺んちに入るんだぜ?
断るワケがない。
『こんな時間にうろちょろしてたら危ないだろ。
だから…入れよ』


