「『ただいまー!』」


あれから1時間か2時間経った頃。

玄関から元気な2人の声が聞こえてきて。



「帰ってきた」

柚木ちゃんが呟く。

そしてリビングに入ってきた2人に一言。



「その手…どうしたの?」


え?と、言いながら2人は手を見る。

そして俺はその手に釘付け。



「手、繋いでる。

分かる?お姉ちゃん」


あの?加奈さん。

それくらい分かります。


そうじゃなくて、どうして手、繋いでるんですか?



『じゃ、報告…しようか…か、加奈』


新はそう言いながら照れたように笑い、加奈さんの肩を抱く。



『この度、お付き合いすることになりました。

どうか、温かく、見守って下さい』