あっという間に時間は過ぎ、23時59分。
全員のグラスにビールがつぎ足される。
泡が溢れそうな勢いだ。
「それでは!カウントダウン行きましょう!」
テレビでアナウンサーの人が言っている。
「『5』」
ニヤニヤ笑う新。
「『4』」
信じられないくらい顔を真っ赤にした加奈さん。
「『3』」
いつも以上に上機嫌な柚木ちゃん。
「『2』」
そして俺。
「『1』」
できることなら、この時間がずっと続けばいいのに。
そう思えるくらい、楽しい時間だった。
「今年もよろしくー!!」
加奈さんの一言でまた、カンパイ。
衝撃で泡が飛び散った。
そんなことも気にならないくらい、楽しくて、仕方なかったんだ。


