「それでは今年最後の1日にカンパーイ!!」
加奈さんが音頭をとり、全員でグラスを合わせる。
本当は飲まないつもりだったが、俺のグラスの中身はビール。
ま、いいか。
あの決心、なかったことにしよう。
『二十歳になるまでアルコールは飲まない』
あれは、ナシにしよう。
加奈さんはビールを一気のみ。
相変わらずの飲みっぷり。
みてるこっちまで気持ちよくなる。
新はそんな加奈さんのグラスにビールを注ぎ、煽っている。
やめろよ…新。
加奈さん、酔っぱらうとほんとタチ悪いんだから。
それから、ずーっとどんちゃん騒ぎ。
テレビの音が自分たちの声でかき消されるくらい、賑やかで。
きっと、この中の誰か1人が欠けたらこの賑やかさはないと思う。
4人全員が揃っているからこその、笑顔なんだ。
アルコールが回ってきた俺はいつもより饒舌で。
いつもより笑った。
そんな俺を見て加奈さん、言ったっけ。
「修司はお酒入ってる方がいいね!」
って。


