そう言って出て来たのは柚木ちゃんだ。
『風邪引くから部屋、戻れば?』
って…あの。
視線が痛いんですけど。
案の定、睨まれてる俺。
「風邪引くって、この寒い中、コンビニに無理矢理連れてったのは誰だっけ!?」
まだ怒ってるよ…
帰りはあんな楽しそうにしてたくせに。
なんて思いながら俺は
『誰だろ…』
なんて知らないフリ。
「修司、サイテー!
ま、でも理由はそれだけじゃないんだけどね」
悪戯っ子のような笑みを浮かべた柚木ちゃんは言う。
「あの2人…仲良すぎるからさ」
柚木ちゃんは視線を部屋の中へ送る。
その視線の先をたどると、新と加奈さんにぶち当たる。
「ホント、見てるこっちが赤くなるくらいいちゃついちゃってさ」
そう言って笑う柚木ちゃん。
呆れたようにも見える。
けど、嬉しそうにも見えた。


