『なんだよ、それ』
何言ってるかイマイチ分かんねぇ。
「ま、いいじゃん?
それより早く帰ろー!」
柚木ちゃんは走り出す。
『危ないから走んなよ』
「大丈夫だもーん!」
そう答えたと同時に滑る柚木ちゃん。
ほら、言わんこっちゃない。
慌てて柚木ちゃんの腕を掴んだ。
『だから危ねぇーつったろ?』
思ったより柚木ちゃんの顔が近くにあって。
慌てて視線を逸らす。
「ありがと、修司!」
ニコッと笑う柚木ちゃん。
笑っても許さねぇー
つーか、あの至近距離で笑うのは俺の心臓がヤバイからやめてほしいんですけど。
『はぁ…』
また、溜め息をつく俺。
ったく、今日だけで何回溜め息ついてんだよ…
こんなんだからいいことが何1つ、起きないんだよなぁ…


