『うわぁ…雪すごっ
つーか寒っ』
傘を差し、柚木ちゃんと横並びで歩く。
「修司ぃ…寒いんだってばぁ…」
そう言って柚木ちゃんは俺を睨む。
はぁ…と白い溜め息をつき、首に巻いていたマフラーを外す。
これで勘弁して。
そう思いながら柚木ちゃんの首にマフラーを巻き付ける。
「え?いいの?」
寒いって言ったのはそっちだろ。
と、思いながら
『別に』
なんて答える俺。
相変わらず、俺には愛想というものが足りない。
「修司のマフラー、良い匂いがするね!」
そんな言葉になぜか赤くなる俺。
何言ってんだよ…柚木ちゃん。
そう言いながら寒そうに俺のマフラーに顔を埋める柚木ちゃんを心の底から
『愛しい』
そう思った。


