【ピーンポーン】


それから約40分後。

インターフォンが鳴る。


俺はドキドキしながら玄関を開ける。



『………マジかよ…』


思わず呟いた。



「修司?どっちだった?」

加奈さんの質問には答えずにコートを羽織る。



『「やったー!」』


そんな俺を見てハイタッチする加奈さんと新。



『柚木ちゃん。

来たところ悪いんだけどちょっとついて来て』


俺は、賭けに負けたのだ。


ピザが先に来ると思ったのに、先に来たのは柚木ちゃんのほうだった。


そして新と加奈さんを2人きりにするために来たばかりの柚木ちゃんをまた連れ出す。



「え…修司!?

寒いんだけど!めちゃくちゃ!」


なんて後ろで文句言ってる柚木ちゃん。


ごめん。柚木ちゃん。

これも全部、新のためなんだ。


と、心の中で呟きながらマンションの外に出た。