2学期ももうすぐ、終わろうとしていた。



『修司ぃ~

俺、期末ヤバかったんだけど…』


そう言って泣きそうな顔で俺にすり寄ってきたのは新だ。



『知るか。

勉強しなかったお前が悪いんだろ。』


それに悪い、とか言っておきながら赤点ってワケじゃないんだ。



『修司、冷たい。

冷たすぎる!!』


俺を睨む新だが俺は事実を言っただけで決して睨まれる覚えはない。




「修司さ、新の言う通りだよ?

もうちょっと、もうちょっとだけでいいから新に優しくしてあげて?」


と、そこへ志帆が登場。



『…なんだよ、それ』


もうちょっと優しくって、なんで?

俺は新にずっと、こうやって接してきたつもりなんだけど。



「なんかさ、最近…怖いよ?修司


前もいつも何考えてるか分かんなかったけど

今はもっと分かんない。


なんでいっつもそんな難しい顔、してるの?」


志帆は俺を見つめる。


俺…怖い?

難しい顔…してる?


自分じゃ、まったく分からない。


俺…知らない間にあのこと、考えてるのか…?