「修司、瑠李のこと…あんまり恨んでやらないでね」



『え?恨んでなんてないですよ?』


千絵先輩は何を言っているのだろう。




「そう?

初めての学祭なのに手伝いに借り出されて、それでもなんとも思わなかった?」



『まあ…多少は辛いっすけどでもとくには…』


ふ~んと言って千絵先輩はなぜか俺を睨む。




「やっぱり修司、優しいわ。


あたしは瑠李を恨んでる。

だってさ、せっかくの学祭だよ?


やっぱり楽しみたいじゃん!


なのにあの瑠李は…」


くっそぉ…と呟いてる千絵先輩。



まあそのキモチも分からなくないけどな。




「はぁ…悔しいけど、まあやるしかないからさ。


修司、想像以上に疲れると思うから覚悟したほうがいいよ」


ある教室の前に着いた千絵先輩は後ろを向くとそう言った。

そして最後に溜め息をつくと教室のドアを開けた。