俺はキミの生徒






「加奈…相当ヤバイみたい」


柚木ちゃんは盛りつけをしている俺の横で唐揚げをつまみ食い。

小学生かよ…




『なんで?』



「だってあのテンション…」


柚木ちゃんの視線の先を追うと新にちょっかいを出す加奈さんがいて。

あんなキャラじゃないことは俺も知っている。




『確かに。ヤバそう』


墜ちるところまで墜ちると人間、壊れちゃうからな。




「その別れた人、同僚でね」


柚木ちゃんは今度はポテトをつまみ食い。




「イヤでも顔見なきゃいけないんだって」


油がついた手を洗う。



「顔見るとやっぱり好きだなぁ…って思うんだ、ってこの間言ってた。

あたしだったら…そんなの耐えられないかも」


柚木ちゃんはふっと笑うと加奈さんと新のほうへ行った。



柚木ちゃん…俺も、きっと耐えられないと思う。

加奈さん、相当頑張ってんだな。