「じゃ、また明日学校でね」


柚木ちゃんはニコッと微笑み、家の中へ消える。


まさか柚木ちゃんがあんなすんなりと承諾してくれるなんて…


ちょっとは渋ったり

照れたりすると思ってたんだけどな…


ま、いいか。

結果、俺のこと名前で読んでくれるみたいだし。


そんなことを制服から部屋着に着替えながら考えていた。


そして着替え終わると冷蔵庫を開き夕飯作りに取り掛かる。



昔から特別料理は苦手じゃなかった。

ただ、毎日作るのは想像以上にめんどくさい。


かと言ってコンビニばっかりだと決められた生活費をオーバーしちゃうし。


独り暮らしは俺が考えてるほど甘くなかった。


でも、まあ親がいないだけいいかな。

って感じ。


冷蔵庫の中をざっと見て夕飯を決める。


今日は…野菜いっぱいあるし、野菜炒めにしよ。



と、決めたと同時に柚木ちゃんの部屋から笑い声。

ったく毎日楽しそうだな。


ちなみに柚木ちゃんは妹と二人暮し。

その妹には会ったことないんだけど。