「よりによって瑠李なんかに捕まっちゃってホント亮子ちゃんが可哀想…」


『え?どうしてですか?』


瑠李先輩、顔はイケてるし、生徒会長なんてやってるんだから頭もいいワケだろ?

申し分ない彼氏じゃないのか?



「いい?修司。

よーく覚えておいて」


俺はコクリと頷いた。



「うちの兄、瑠李の性格は最悪よ。

と、いうか猫かぶり野郎。


周りには成績優秀のいい子ちゃんで通してる。

でも本当の性格は、悪魔。


アイツは自分中心に世界が回ってる、って思ってる。

今で言う、俺様、ってヤツ。


分かった?

私が亮子ちゃんを可哀想、って言った理由」



『……はい』


そうか。

そうだったのか。


あの悪戯っ子のような笑み。

言葉遣い。



瑠李先輩はただの優等生じゃない、ってことか…!!